電車のドラえもん
ホームの列を無視して、なだれ込むように我先にと電車へ乗り込んだ十数名の小学生。
ワイワイ騒ぐうちに、ジャイアンがのび太とスネ夫の頭を、手に持つ参考書で殴りだした。
でもここには、ドラえもんもしずかちゃんも出木杉君もいなくって、みんな笑ってる。
60台男性が苦々しい顔つきで見ているだけで、他の乗客は無関心。
注意しようしたとき、電車が駅へ着いて、スネ夫逃げるように降りていった。
すると、スネ夫に続けとばかりに、ジャイアンがのび太をホームへ押し出そうとしている。
この駅では降りたくないのび太。
笑いながらも執拗に電車から押し出すジャイアン。
「おい、やめろ!」
ドアが閉まり走り出す電車。
シュンとする小学生たち。
ジ~っと私を見る60台男性。
そのうち、ジャイアンはのび太たちを残して、別の車両へ移っていった。
ドラえもんに、なれなかった私。