新名神高速道路橋桁落下事故
今回の事故でお亡くなりになられた方々のご冥福と、負傷された方々の一日も早いご回復をお祈りいたします。
4月24日午後4時半ごろ、兵庫県神戸市北区で建設中の新名神高速道路橋桁が落下し10人が死傷する事故が発生しました。
写真:要救助者の救出に備える消防隊(4月24日午後7時ごろ)
写真:崩落し完全に国道を塞いだ橋桁(4月25日午前8時ごろ)
写真:橋桁とともに崩れ落ちた工事設備(4月25日午前8時ごろ)
記者はこの近くに住んでいたこともあるので、土地勘があり道路状況もよく知っています。
橋桁が崩落し通行止めとなっている国道176号線は、現場周辺の神戸市北区及び三田市以北の町と宝塚市や西宮市とを結んでいるだけでなく、車が生活の足である周辺地域住民の日常にも重要な道路で、『176(いなろく)』と呼ばれています。
事故現場近くの防犯カメラには落下する橋桁が写っていましたが、崩落の瞬間にも国道を手前方向に多くの車が走行していました。
平日約2万8千台の通行量がある場所で、一般車が事故に巻き込まれなかったのは不幸中の幸いですが、それは単なる幸運だったのでしょうか。
いつ崩落するかも分からないような建設工事を、多くの車が行きかう道路の上で行なわれたのではたまったものではありません。
また、この現場のほかにも道路を跨ぐ高架道路はあちこちで建設されていますが、建設工事の安全対策はどうなっているのでしょうか。
そこで、次の疑問をNEXCO西日本にぶつけてみました。
質問したのはこの2点です。
①事故当時、国道を通行止めにして工事を行っていたか。
②事故現場を含むNEXCO西日本すべての工事現場の安全対策について。
NEXCO西日本お客様センターの担当者では答えられず、詳細が分かる部署から折り返しの電話で返答してもらいました。
①事故現場は警察による現場検証が行われており、我々も近づくことができないために検証ができないが、橋桁を移動する工程中は交通規制を行い下の国道を通行止めにするが、事故が起きたときは(橋桁を移動していなかったので*)通行止めにする状況ではなかった。
*記者追記
②現在NEXCO西日本管内すべての工事を停止して安全確認中だが、事故が起きた現場と同じ送り出し工法の工事は、事故原因が判明し安全性が確保できるまで再開しない。
他の工法での工事は、安全が確認されるまで停止する。
とのことでした。
『通行止めにする状況ではなかった』ところで崩落事故が起こったことが大問題なので、徹底的に原因究明を行い、二度とこのような事故を起こさぬよう切に願います。
また、現在事故で通行止めとなっている国道176号を迂回出来るよう高速道路の無料措置が西宮IC~神戸三田IC・三田西IC間で行われていますが、 高速を使わず迂回してくる車と無料措置を利用する車とが集中する西宮IC出入り口周辺道路が交通マヒ状態となっています。
これは無料措置の区間を宝塚IC~神戸三田IC・三田西IC間とすることで解消できると、意見をしておきました。