sandabe’s diary

エンタメやオモシロ情報をおとどけ!

エボラ出血熱日本上陸への対応

関連記事:エボラ出血熱世界拡散の恐怖 - sandabe’s diary

 

政府は16日、感染経路の特定など情報収集体制の強化のため、『エボラ出血熱新型インフルエンザなど、危険度の高い感染症の疑いや確認がされた場合、患者の同意なしで強制的に血液や尿などの採取を可能とする』感染症法改正案を閣議決定しました。今国会での成立を目指すということです。

 非常事態に対応しようとする政府の姿勢が見られますが、基本的人権よりも社会の安全を優先する内容が、論議を呼ぶことも懸念されます。

 

しかし実際にエボラ出血熱への感染が疑われる患者が見つかっても、日本国内ではウイルスを検査する体制が整っていません。

 

WHOが定めたウイルスの危険度「BSL/バイオセーフティーレベル」の最高レベル・グループ4(BSL-4)とは、『個人に対しても地域社会に対しても危険性が高く、扱う病原体が人間や動物への重大な疾病の原因となり、かつ罹患者より他の個体への伝播が、直接または間接に起こり易いもの』と定義されており、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、ヘルペスBウイルス、エボラウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、マールブルグウイルス、痘瘡ウイルス、黄熱病ウイルスの9種類が分類されています。

 

このBSL-4レベルのウイルス検査が可能な設備は、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に整えられていますが、地元住民の同意が得られないなどの理由から、現在もBSL-4での運用は許可されておらず、BSL-3での運用しか行われていません。

1987年に海外渡航者が帰国後ラッサ熱を発症したときには、検体をアメリカに発送して確認しましたが、感染症が発生した場合に迅速な対処ができるように、早期の運用をすすめるべきだと思います。

国立感染症研究所エボラ出血熱診断マニュアル(平成24年3月)

エボラウイルス感染症の検査に関する注意事項
エボラウイルス感染症のウイルス学的検査は,国立感染症研究所(村山庁
舎)ウイルス第一部第一室において可能である.
国立感染症研究所においては,現在のところ感染性のあるエボラウイルス取り扱いが認められていないので,血清学的診断のための抗原の作製にエボラウイルスを用いることができない.そこで組換え核蛋白を抗原とした診断法を開発し,採用している.また,ウイルス学的検査は「国立感染症研究所病原体等安全管理規定」に基づいて行われる.

*1

 

これまでは、先進国ではエボラ出血熱の感染拡大はないとみられていましたが、米テキサス州の病院でエボラ出血熱患者の治療にあたっていた医療従事者に、2人目となる新たな二次感染者が確認されました。

 エボラウイルスの日本上陸の恐怖が現実味を帯びてきたいま、「感染力は低く、空気感染もない」などとした通説の盲信を改め、政府をはじめ関係機関には万全の体制を整えてほしいです。

 

*1:赤文字は記者による