sandabe’s diary

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怪談話③幽霊が見える話

まだ、来る日も来る日も自転車で150kmとか250kmとか走ってた頃。
交通状況や路面の状態にも注意を配るので、けっこうキョロキョロまわりを見渡しながら走るんですよね。
そういうときに、
『あれ?さっきまでそこに人がいたけど??』
な~んてことがたま~にありましたが、大したことではないからミマチガイということで自分を納得させていました。

あるとき、しとしと降る雨のなか坂を上っていると、ずっと先に自転車を押してる女学生を見つけました。
追い付くまでチラチラと確認しながら走っていましたが、いざ追い越すタイミングになると、
誰もいない!
な~んてこともありました。
その後、女学生を見た場所の道路脇にお地蔵様が設置されましたが、なにか関連があったのでしょうか。それともあれは単なる見間違いだったのでしょうか。

幽霊が見えるというH君は、
「生活している人と同じように、そこら辺に普通に居ます」
と言っていました。

人の五感も、とどのつまりは脳内での電気信号でしかありません。
H君のような幽霊が見えるという人たちは、電気信号の乱れが原因で実際には存在しないモノが見えているように勘違いしているのかもしれません。
あるいは、幽霊のなにがしかのエネルギーを感じとる特別なフィルターが備わっているのかもしれません。

近所の家のおじいさんが、軒下に並べたプランターに水やりをするところをよく見ていました。
その日はもう水やりは終わったのか、おじいさんは玄関に入ろうとしているところでしたが、これまでとなんら変わった様子はなかったので気にも留めませんでした。
ところがその数日後に、別の近所の方からそのおじいさんが亡くなったと聞いてとても驚きました。
この間は、とてもそんな風には見えなかったからです。
その方にそう話すと、
「それはあり得ない」
と言います。
そのおじいさんは、病気で数カ月入院をしていた病院で亡くなったとのことでした。
そして亡くなったのが、記者がおじいさんを見た日だったのです。

交差点の反対側で歩行者用信号を待つ人たちを見て、ふと、
「ひょっとしたらあの中に幽霊が混じっているかもしれない」
と思った人が、信号が変わって渡る交差点の人込みで、
よくわかったわね~ぇ
と声をかけられたそうです。
これは本で読んだ話なので作り事かどうかは分かりませんが、実際にそんな風に我々生きている人間と幽霊は、H君の言うようにこの世で交じりあって存在しているのかもしれません。