【地震は予知できるか?】 地震の地鳴りと電波障害
2016年4月10日午前1時22分、ボーリングの玉が転がってどんどん近づいて来るような音が聞こえてきました。
《あっ、地鳴り!》
阪神淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災で、大きく揺れる前に聞こえてくる地鳴りを経験した記者には、すぐにそれと分かりました。
ゴォーッという地鳴りが迫ったと思うとドーン!!と下から突き上げる衝撃を感じ、同時に建物がガタガタと音を立てました。
それほど強い揺れではなかったので震度は2程度かなと思いながら、地震の情報を得ようとラジオを取り出しチャンネルを合わせました。
しかし、普段ならクリアに受信できる666MHzのNHK第1放送が、大きな雑音が混じってよく聴き取れません。
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電子機器が雑音を発生させることもあるので、iPhoneや電気スタンドを離れた位置に移動させても受信状況に変化はありませんでした。
『阪神淡路大震災や東日本大震災の発生前に、被災地周辺でAMラジオの受信状況が悪化した』という現象から、地震発生時に地中のプレートや岩盤で起こる強い摩擦で発生した電磁波がラジオのノイズとなるのではないかという仮説が話題になったことがあったので、東日本大震災発生後から約3年間、東京で地震の発生とAMラジオ及び144MHz帯の伝播状況の変化を観察してきましたが、確かな相関関係を見いだせずにいました。
(記者は、アマチュア無線技師3級免許をもっています)
しかし、いま起こっている事象がまさにそれかもしれないと思い、ラジオからの【音】の録音を始めました。
録音を繰り返していると1回目の地震から約30分後の1時53分、再び地鳴りがして今度は横方向への揺れを数秒間感じました。
気象庁の発表では
【01時22分の地震】
震源地:兵庫県南東部(北緯34.9度、東経135.4度)
震源の深さ:約10km
地震の規模:マグニチュード4.0(推定)
震度:3(兵庫県三田市)
【01時53分の地震】
震源地:兵庫県南東部(北緯34.9度、東経135.4度)
震源の深さ:約10km
地震の規模:マグニチュード3.5(推定)
震度:3(兵庫県三田市)
となっており、地震の規模は違うもののどちらも震源地は同じです。
録音した【音】を聞いてみると、2種類のラジオのノイズ、それに耳では聞こえなかった地鳴りのあとに、ゴォーッと聞こえた地鳴りと建物が揺れる音が録音されていました。
AMラジオの電波障害は、地震から暫くは残っていましたが、5時間が経過した午前7時以降では完全になくなっていました。
【音】はNHKラジオ放送が録音されているため、著作権の関係で現在は公開できません。
今回の地震では
①音の大きさに差はあるものの、地震のP波とS波それぞれで地鳴りが聞こえた
②地震の前後に電磁波か何かによるAMラジオへの電波障害が発生した
ことになります。
そこである大学の地震研究所に伺ったところ、地鳴りと電磁波の地震との関係についてこれまでは科学的に研究されることも少く、
③地鳴りについては『発生原因は様々で、地震との関係は科学的に立証されていない』
④AMラジオの電波障害の原因と考えられる電磁波については『東日本大震災で電磁波による電波障害が発生したということが認められつつある』とのことでした。
今回のように、地震発生時に地鳴りや電波障害が必ず発生するとも、また地鳴りや電波障害があれば必ず地震が起こるとも限りませんが、いつ起こるか分からない地震に備えるために役立つのではと思います。
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