怪談話①ちょっと怖いお地蔵さんの話
梅雨明けがまだだと言うのに、暑い日が続きますね。
皆さんお元気でお過ごしでしょうか。
今回は、寝苦しい夜がちょっぴり涼しくなるお話をします。
近所の商店街から脇道に入った先に、立派な祠に祀られたお地蔵さんがありました。
その祠の近くにとても信仰深いおばさんが住んでいて、朝夕には必ずお参りしていたそうです。
そのうち、おばさんが体調を崩して入退院を繰り返すようになりました。
あちこちの病院で診てもらいましたが、原因がわからないというのです。
病院に匙を投げられ、衰弱していくばかりのおばさんは、伝え聞いた霊能者を藁をもつかむ気持ちで訪れたそうです。
そして霊能者を訪れると、部屋に入るやいなや、
「あんた、お地蔵様に毎日お参りしているね」
と言い当てられたおばさんは、顔面蒼白になったそうです。
「その時に『願わくは我に七難八苦を与えたまえ』とお唱えしてないかい?」
確かに、お参りの度にそうお唱えしていました。
「地蔵様を信心するのはいいけれど、そのお唱えは悪い。だから本当に地蔵様に苦難を与えられたんだ」
と、いますぐやめるよう戒められたそうです。
おばさんは困難にも負けないように強くなりたいと願って、「我に七難八苦を与えたまえ」と唱えていたそうですが、そのお唱えをやめてからみるみる体調は改善したそうです。
すっかり良くなったおばさんは、世の中には不思議なことがあるものだと、我が身に起こったことを思い返していて、ハッ!となりました。
思い出したのです。
霊能者を訪れたとき、玄関にたくさんのお地蔵さんが祀られていたことを。
おばさんが信心したお地蔵さんは、いまでも地域の人々に厚く信仰されています。
※写真は実際のお地蔵さんです